先日、お久しぶり(建て替え後は初!)の歌舞伎座で
『マハーラーバタ戦記』を観劇してまいりました。
ひとこと。
とってもよかった〜!!
序幕から、その世界に引き込まれます。
最初は神様たちの集まる場面から。
天界、と書こうとしましたが、そういえばヒンドゥー教の世界。
ということは、はるかかなたの場所、ですね^^
なんと、皆様きんきらきんの、宝塚の輪っかのスカートのようなお衣裳でお出ましです。
観劇自体が久々だった私は、ここでグッと心を掴まれ、ドキドキしてしまいました(笑)
私が観劇した19日は撮影が入っていたので、きっと映像でも見られる日が来るのだと思いますが、
実際の観劇がおすすめです。
ちなみにNHKワールドで紹介されていた映像がこちら
New Kabuki Performance Incorporates Ancient India
ちょっとだけですが、オープニングのきんきらきんのお衣裳も見られますよ〜^^
引き込まれる一つの大きな要素は、音楽。
パーカッションや、アフリカの楽器といった普段の歌舞伎では使われないものが多用されていますが、
私の耳にはとても心地よく、物語の邪魔をせずかつ盛り上げに一役買っていて感動しました。
作り上げる過程が、きっと大変だったろうな、と思いますが、最高によかったです。
さて、まず、菊之助さん(チラシの右の方です)。
ご両親やお姉さまの印象が強すぎて、やさしい御曹司、という私の勝手なイメージでしたが、
なんのなんの、久々に拝見したお姿は
「シヴァ神」の貫禄も、
物語の主役である「迦楼奈(カルナ)」の品格も(2役)、
佇んでいるだけでも観客に納得させる力量です。
この「極付印度伝 マハーバーラタ戦記」を、歌舞伎にしよう!という企画から携わっただけあって、
ここにかける熱量も感じられて、まっすぐな迦楼奈(カルナ)と重なる部分も大きかったように思います。
迦楼奈の『氏素性がわからないのに、品』がある。
という劇中の設定を、有無を言わさず納得させるあたり、感動しました。
そして、七之助さん。
勘三郎さんがご存命の頃に拝見していたので、私としてはこれまた久々に拝見したのですが、
今回の成功に欠かせないとても重要な役所、ヅルヨウダ(鶴妖朶)王女を、しっとり妖艶に、圧倒的な実力で演じられていたのが印象的でした。
表の顔と、裏の顔。
揺るがない気持ちと、揺れる心。
ほんの少しの仕草でも伝わる感情。
原作では男性のはずのこの役を、七之助さんが演じると「女性であることに意味がある」とまで思わせる力量。
いやー、悪役をやらせたらピカイチなのではないか、と思いました。
(見習いたいほど…汗)色気も抜群です。
大きなお役でははじめて拝見する尾上松也さんもご立派で、若手の印象でしたが、びっくり。
また納蔵王子(ナクラ)を演じた中村萬太郎さんの二役目、鬼の子・我斗風鬼写(ガトウキチャ)も出番としては短かったのですが、健気でまっすぐな心が印象的なお役でした。
ベテランの皆々様は、さすがの安定感。物語の土台をしっかり支えておられました。
休憩時間にいただくお弁当にも、題材を基にしてこんな素敵なものが…。
記念弁当です。
中はこんな感じ…
和とインドが融合していて、美味しかったですよ〜!
お弁当は観劇しなくても買えますので(笑)、歌舞伎座の地下で購入するのもいいかも。
10時半頃はとっても混むので、その前がおすすめです。
あ、それと、馬好き、スヌーピー好きの私が楽しみにしていたのがこちら…
毎月演目に合わせて絵柄が変わるという、スヌーピーのクリアファイル!
馬(戦車)ですよ、インドですよ、スヌーピーですよ、そして太陽神がチャーリーブラウン♡
ツボでした。
こちらは歌舞伎座内の売店で売っていますが、確か上演中なら入れるはず…。
気になる方は是非どうぞ^^
お隣に座っていらしたご婦人は、途中で「長いわー、飽きちゃった」とおっしゃっていましたが、
その後再びしっかり物語に引き込まれ、集中してらっしゃいましたっけ。
それにね、歌舞伎だからこそ(ある程度長く演じる)、ここまでしっかりこの物語を描けるんだな、と。
マハーラーバタって、実際はとても長いお話(私は読書を途中で断念しましたから…)。
それをどう数時間に収めるのかと思っていましたが、しっかり!
わかりやすく、かつ筋を見失わない描き方で書かれていました。
読書を断念した私にも、よーくわかる作り。
初めての方でも安心です。
しかも面白くって、時間を忘れるほどだったので、本当におすすめです。
(とはいえ、残念なことに25日まで…ご興味ある方はお急ぎを!)
あ!
そうそう、これを忘れてはいけませんでした。
歌舞伎に不慣れな方も、マハーラーバタって何?な方にもおすすめなのが「イヤホンガイド」。
とてもシンプルにわかりやすい解説で、しかも解説を入れるタイミングが絶妙で、とっても良かったです!
時代・物語の背景や、楽器の解説、歌舞伎特有の表現で表しているもの、など、なんで?と思うタイミングで教えてくれました。
これ、もしかしたら観劇の満足度を左右するかもしれません、是非是非、です。
イヤホンガイドは使用料700円、借りるときにプラス1000円を払いますが、返却時に戻ってきます。
そんなこんなで、久々の歌舞伎観劇は期せずしてヨガにもアーユルヴェーダにも通じているマハーラバタ戦記でした♪